新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リモートワークで一日中パソコンとにらめっこという方も多いのではないでしょうか。
コロナの弊害を眼科的に挙げると
①子どもの近視の進行が著しい
②ドライアイや眼精疲労
③受診控えによる眼病の進行
などです。診療しながら、どれもこれもほんとうに、実感しています。
今日はドライアイや眼精疲労のセルフチェックとケア方法についてご紹介します。
ドライアイは、失明などの重篤な障害をもたらすことはない病気ですが、慢性的な目の疲れや不快感は思いのほか日常生活の質をかなり、下げてしまいます。また、ドライアイの方は比較的、一定の視力で見ることが難しいと言われており実質的な見え方の質が下がります。
「目が乾く」に加えて、「首が痛い」「気持ちがふさぐ」そんな症状が出てきたら、VDT(ヴィジュアル・ディスプレイ・ターミナルズ)症候群に要注意です。
長時間、ディスプレイの前で作業を続けていると、目の疲れ、首や肩の痛みが生じ、さらにメンタルにまで悪影響が及ぶ恐れがあります。
〜ドライアイのセルフチェック〜
□目が疲れる
□物がかすんで見える
□乾いた感じがする
□不快感がある
□充血しやすい
□重たい感じがする
□理由もなく涙が出る
□ゴロゴロする
□痛みがある
□かゆみがある
□目やにが出る
□光をまぶしく感じやすい
□10秒間、目を開けていられない
上記の自覚症状チェックで、5個以上の項目で当てはまった方はドライアイの可能性があります。
症状が出たら早めに眼科受診をおすすめしますが、日常でセルフでやれる対策をいくつか挙げておきます。
対策その①パソコン作業の工夫
VDT症候群予防対策としては、まずは作業環境の見直しとリフレッシュタイムを設けることをおすすめします
・ディスプレイは視線よりやや下向きになる位置に置く。
・室内の照明は、パソコンの画面より少し明るく。
・10分に1回は1~2秒画面から視線をずらして遠方を見る。
・連続作業は1時間たったら10~15分の休憩をとる。
・時々身体を動かしストレッチ。
・瞬きの回数を意識的に増やす。
対策その②ブルーライト対策
ブルーライトとは、名前の通り青色の光のこと。目に見える光線の中で最も強いエネルギーをもっているといいます。 特にスマホはブルーライトの量が多く、テレビ画面より近い距離で見るため、浴びる量が多くなり、眼精疲労や肩凝り、首凝り、ドライアイを起こしてくることがあるので注意しましょう
・夜の就寝前のスマホの長時間の使用は注意
・朝は窓を開けて太陽の光を浴びて体内時計をリセット
・ブルーライトカットのメガネ、フィルム、アプリなどを活用
・天然のサングラス「ルテイン」を含む食材を積極的にとる (ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜)
夜遅くまでブルーライトを浴びると、睡眠と覚醒の周期が乱れ、寝付きが悪い、眠りが浅いなどの睡眠の質を低下させるといわれています。 また、ブルーライトが紫外線と同様に活性酸素を発生させて、皮膚の老化を来すともいわれています。
対策その③女性はメイクをしっかり落とす 男性も目を温め洗う
目元のメイクもドライアイの原因のひとつです。上下の睫毛の内側の部分には、マイボーム腺という脂質を分泌している腺があり、ここが詰まってしまうと涙成分の油が不足し、涙が蒸発しやすくなってしまいます。男性は脂が多いのでマイボームは詰まりやすいです。
脂分泌と血流を促すためには目を温めましょう。ホットタオルで充分です。
・アイメイクはこすらずにしっかり落とす
・ホットタオル
・空調の風が顔に直接当たらないようにする
・室内の湿度に気を配る(乾燥している場合は加湿器を)
・自分にあった目薬を使用する
東京に住んでいる方はお盆休みも旅行や帰省が難しいかもしれませんが、たまにはPC・スマホ・テレビゲームと離れて過ごしてみましょう。デジタルフリーな時間を取ることは、眼だけでなく心も癒してくれます。
アスタキサンチンやドライアイ用のサプリメントを摂り、ゆっくり眼を温めたり、眼の周りのツボ押しや優しいマッサージで血流をよくするのもおすすめです。